お問い合わせ

修理のご相談を承ります

 所有、または管理されている美術工芸品の保存・修理に関するご相談を、随時承っております。

 「主に絹や紙に描き記されている美術工芸品」(絵画・古文書等)、「伝世品」(地中に埋まっていて発掘されたものではなく、地上で人の手によって伝わってきたもの)を対象としています。

 絹や紙に描き記された絵画や古文書等は、そのままでは取り扱いや保存が困難であるため、多くの場合、さまざまな形態に仕立てられています。代表的な例として、壁面等に掛けて観賞に供するものとして掛軸装額装、手にとって取り扱うことを前提とする巻子装冊子装折本装、調度品としての屏風装衝立装、建造物の内装としての障壁画襖貼付装壁貼付装)や天井画などがあります。弊社では、これらの形態で伝わる美術工芸品の修理・仕立てを主な業務としています。また、絵画修理に必要な「絵具層剥落止め」の技術を有するため、建造物の杉戸や柱、天井、絵馬や彫刻などに施された絵具層の彩色剥落止めも行っております。

 現状の損傷を修理し、将来の損傷発生要因を除去して構造の安定化を図る解体修理のほか、ご鑑賞や展覧会へのお貸し出しの際の応急処置、保存環境でのお困りごと、燻蒸など、保存に関する幅広いご相談を承ります。

お見積りについて

 お品物の態様、状況は様々であり、一つとして同じものはありませんので、いわゆる面積計算、単価計算という手法は、美術工芸品の修理費の積算にはそぐわないと考えております。適正な修理費の算出を行うためにも、お見積りをご依頼の際は、実際にお品物を拝見する機会を頂戴できますと、大変ありがたく存じます。

 修理技術者の目で損傷状況と必要な処置を見極め、文化財修理費算出のガイドラインに沿って積算を行います。また、金額と仕様だけをご提示するのではなく、修理の必要性、使用する技術や材料、工期等について、写真等を交えた資料を作成のうえ、あらためてご説明にお伺いいたします。

指定・登録文化財等の修理をご検討の場合

 指定・登録文化財等の修理を実施される際には、法律または条例により定められた所定のお手続きが必要です。また、各種補助金の対象になる場合がございます。

 指定・登録文化財の修理をご検討で、お見積りをご依頼の際は、所管自治体の文化財担当者にもあわせてご相談ください。

修理設計のみのご依頼について

 修理をご検討のお立場からすれば、複数の提案を比較・検討のうえご選択いただくことも当然のことであり、複数の施工者からの選定を前提としたお見積りについても、ご遠慮なくご用命ください。

 なお、お見積りの際には、修理技術者が経験と問題意識・専門性を駆使し、実際に施工当事者となることを想定してお品物の実見調査、仕様の作成・工数の算出(これらを総称して修理設計といいます)を行います。このため、弊社へのご発注または弊社を含む複数の施工者からの選択によるご発注を前提としない(弊社が施工する可能性が全くない)案件に係る、仕様の作成や事業費の積算、価格の比較等のみを目的としたご依頼につきましては、別途、修理設計に要した実費のご請求を申し上げる場合がございます。

アフターサービスについて

 修理完了の際には、修理工程や使用材料、修理によって得られた知見などを編集した修理報告書をお渡しいたしますが、弊社においても修理記録を保管しております。修理してお納めしてそれで終わり、ではなく、その後長く適切な状態での保存が可能となるようなお手伝いをしたいと考えております。修理が完了したお品物の保管・取り扱いに際して、お困りのことがございましたら、ご遠慮なくご相談ください。

過去の修理記録に関するお問い合わせ

 弊社が修理を施工した文化財等に加え、(旧)光影堂が昭和26年度(1951)〜平成24年度(2012)に修理施工した指定文化財等、及び株式会社桂文化財修理工房が平成13年度以後に施工した文化財等に関する修理記録(修理前後写真、カルテ、修理報告書等)について、弊社において一括して管理しています。これらに関するお問い合わせを承ります。

 なお、研究者の方や報道・出版関係者等、当該修理事業の発注者以外の第三者の方が、弊社において保管している写真や資料の閲覧や提供を希望される際は、あらかじめ発注者の許諾をお取りくださいますようお願いいたします。 

見学・公開について

 文化財保存修理について、より広範なご理解・ご支援をいただくためには、修理現場を実際にご覧いただくことは、非常に重要な取り組みであると考えておりますが、修理中の文化財は、いわば集中治療室で繊細な手術を受けている状態であるため、お預かりしているお品物の安全の確保、作業への影響の観点から、まことに遺憾ながら、一般の方の見学のご要望については、原則として一切お断りしております。あしからずご了承くださいますようお願い申し上げます。

 同様の理由により、修理現場の取材等につきましても、特別な事情がない限りお受けすることができませんので、あしからずご了承ください。

採用について

 後継者育成は、修理技術の維持・継承の観点から、選定保存技術保存団体構成員に課せられた責務の一つであり、弊社においても技術職員(修理技術者)の採用公募を不定期に行っております。採用の有無、予定等については、採用情報のページに掲載します。

お問い合わせ

 (お問い合わせの内容によっては、回答にお時間を要する場合がございます)